汽車と決別しようとしたが自ら選んで汽車に賭けた
学生時代と、社会に出てからの2度、私は汽車と決別しようとしたことがある。最初は旧制高等学校のとき、人生の真理の追求という周囲の生き方に対して汽車との友情が無邪気すぎるように思えたからであり、2度目は失恋して何もかも捨てたいという自暴自棄からであった。だが結局、私は汽車を離れて生きることはできなかった。趣味という遊びを心の糧とすることも、性格としてできなかった。汽車は私にとって人生の倒影であり、煙を
汽車と決別しようとしたが自ら選んで汽車に賭けた... の続きを読む
乗りたい一念で乗った引揚げ臨時列車はオール客車
敗戦で朝鮮を追われ日本へ引き揚げた私たち一家は郷里の久留米市の近くで、3家族が1軒の家に雑居する窮屈で気詰りな日々を送っていた。汽車に乗りたい一念と東京への憧れから、東京に電気製品を買出しに行くという理由をデッチ上げ、出札口に2晩徹夜で並んで切符を入手し、2日分の食糧を携えて満員の汽車に乗った。南風崎〜東京間の引揚げ臨時列車以外に九州から東京へ直通する長距離普通列車はまだ復活しておらず、門司駅の待
乗りたい一念で乗った引揚げ臨時列車はオール客車... の続きを読む
航空・新幹線時代と夜行列車
「昭和」が半世紀に及ぶ激動の歴史を刻んで50年代に入った前後は、鉄道にも明暗様々の出来事があった。日本の鉄道が記念すべき創業100年を迎えた3年後の1975年(昭50)には、戦後早くから国鉄が意欲的に進めてきた動力近代化が達成されて全国から蒸気機関車が消え、明治の昔から多くの人々に親しまれてきた汽車は郷愁の彼方へと去り、夜の旅からも夜汽車の詩情が薄れて、語感にもなんとなく実用的なイメージが強い夜行
航空・新幹線時代と夜行列車... の続きを読む
“塩素投入”は見過ごすとのできない暴挙
宮崎県日向市の事件直後から、私の元には全国の温泉地からまさに「悲鳴」が寄せられていた。「このままでは、三〇〇年続いた名湯が守れない」「ご先祖様に顔向けができないので、もう温泉を閉めようかと思う」その中には、ここにその名を記せば人々が驚くような名湯がいくつも含まれている。事態はそこまで進展していたのである。私は札幌の寓居でこの事態を傍観している気持ちには、とてもなれなかった。これは間違いなく、日本の
“塩素投入”は見過ごすとのできない暴挙... の続きを読む
「自然湧出泉」これこそが究極のホンモノの温泉
現在、国内には日帰り専用を含めて約二万三〇〇〇軒の温泉旅館、温泉施設があります。とくに平成以降、全国各地に入浴施設がつくられ、ほぼどこでも温泉につかることができるようになっています。ということは、湯治のための施設や環境の有無を別とすれば、ごく身近なところで湯治に近い効果を得ることが可能になったとも考えることができます。ただしそれは、いずれの「温泉」も湯治にふさわしいホンモノの「温泉」という前提条件
「自然湧出泉」これこそが究極のホンモノの温泉... の続きを読む
「温泉分析書」は温泉湧出地点のもので浴槽の温泉ではない
私の調べでは戦国時代のころから、温泉利用税としての入湯税が徴収されています。基本的には各自治体の自由裁量に委ねられていますが、日帰り入浴で七〇円から100円、宿泊で一五〇円が相場のようです。平成に入って全国各地で誕生した市町村営のいわゆる公共温泉は、この入湯税を見込んだものといっていいでしょう。残念なことは、そのほとんどが酸化された塩素泉(これも私の造語)を提供する。マガイモノの温泉なのです。この
「温泉分析書」は温泉湧出地点のもので浴槽の温泉では... の続きを読む
下駄箱付近にはスリッパも用意されている
立川からは青梅線に入る。これからが車窓の上ではハイライトなのだが、それも青梅から先の区間なので、しばらくは雑然とした市街地や住宅街をかすめていく。立川からは大勢乗ってくるのかなと思ったが、乗ってきたのは僅かだ。それどころか川崎から宴会をしていたグループは立川で降りてしまった。奥多摩へ遊びに行くグループではなかったようだ。青梅線へ直通する列車のみが通るショートカット単線を経由して、西立川から本来の青
下駄箱付近にはスリッパも用意されている... の続きを読む
大きなホテルではなるべく自分で荷物を運ぼう
チェックインが終わるとベルボーイが荷物を部屋まで運んでくれますが、これが実は助かるようで面倒なのです。個人旅行のときは、ボーイと荷物が一緒に部屋に来てくれることが多いので待たされることはほとんどありませんが、パッケージツアーや団体旅行の際は部屋でじっと待つことになります。部屋数の多い大きなホテルでは1時間近くも待たされることがざらにあります。この間は落ち着けません。なるべく荷物は自分で運びましょう
大きなホテルではなるべく自分で荷物を運ぼう... の続きを読む
「つつじ亭」若主人お奨めの「とん香」でとんかつを賞味
バスターミナルから歩いて三分、とんかつ専門店「とん香」のとんかつは地元は勿論、観光客にも人気を呼んで、今や草津名物ともなっている。肉汁たっぷりのやわらかい地元榛名産の豚肉に、薄く衣をつけてじっくり揚げる。これに添えるのはやはり地元産の高原キャベツ。季節によって品種が変わるが、取り分け夏から秋の「419」が絶品。銘柄豚だけでなく、銘柄キャベツまで。この拘りが如何にもとんかつ一筋の店。残り香も爽やかな
「つつじ亭」若主人お奨めの「とん香」でとんかつを賞... の続きを読む
叡山電車の「きらら」は窓方向に設置されたシートがある
京都の叡山電車には「きらら」という展望車両がある。やや小ぶりな電車だが、この車両のウリは、窓の方向に設置されたシートだ。子どもが窓を向いて座りたがるように、ダイレクトに窓を向いて心置きなく車窓が楽しみたいという欲求を具現化したものだ。ただし、車内の座席がすべて窓を向いているわけではなく、一両に二人掛け四脚の八名分しかない。この車両はすべて自由席だから、人気のこの座席をゲットする競争率は高く、座れる
叡山電車の「きらら」は窓方向に設置されたシートがあ... の続きを読む
十津川全施設で源泉一〇〇%かけ流し宣言を行う予定
十津川温泉には現在、公共の施設も含めて三十数件の宿、入浴施設がある。現在のところ、これがほぼ源泉かけ流し一〇〇%になった。ある一軒の宿の露天風呂だけが、事情があって循環器を使用しているが、それを除けば、ほぼ完璧である。二〇〇四年には、十津川全施設で源泉一〇〇%かけ流し宣言を行う予定である。関西では十津川村は、とんでもない山深い地にある秘境だと思われているようだが、現在では道路はほぼ整備されている。
十津川全施設で源泉一〇〇%かけ流し宣言を行う予定... の続きを読む
温泉宿パンフレットの問題点
温泉情報誌に、各温泉の由来やうんちくが書いてあると、だいたいは当の温泉にある宿が作成したパンフレットの内容の丸写しであることが多い。温泉情報誌の記事は、現地取材を含めて温泉を客観的に調べ直して、総合的な視点で書かれるべきだが、現実はそうではない。歴史資料で確かめられそうな話でも、確認調査した気配がなく無批判に採り入れる。だから、どの温泉情報誌も判で押したように同じことが書いてある。そっくり孫引きし
温泉宿パンフレットの問題点... の続きを読む
多数の現地社員を採用
新たにホテルを開業する場合、ハイアットでは、多数の現地社員を採用する。その場合に重視するのは、「温かさ」「率先してサービスするイニシアティブ」そして「チームワーク」と「フレキシビリティ」(柔軟性)だと、西新宿のパークハイアット東京の総支配人は以前、私に語ってくれた。これが、ハイアットの3ブランドに共通する「親しみのある」「気が利く」「丁寧な」というサービスの基礎となるわけだ。ハイアット・インターナ
多数の現地社員を採用... の続きを読む
夥しい数の仲居さんのお出迎え
ちらつく雪の中、バスの到着を今や遅しと待っていたのか、バスから降りるやいなや、仲居さんが荷物を奪うように受け取り、満面の笑みで傘を差し出してくれる。相合傘で玄関を潜る。と、宿の中でも夥(おびただ)しい数の仲居さんが打ち揃ってのご挨拶、吹き抜けの巨大なロビーに、わんわんとこだまする。客の気分は悪かろう筈がない。皆、お大尽よろしく反り返って睥睨(へいげい)する。団体旅行にはエージェントの添乗員が不可欠
夥しい数の仲居さんのお出迎え... の続きを読む
近い国で免税品店を利用する
旅行の楽しみのひとつにショッピングがある。せっかく遠いところまで高い運賃を使って行くのだから、現地で安く買いたいというのは当然のことだ。早トチリする消費者は、免税品店イコール原価または卸値で、世界中の免税品店の価格は同一と考えているが、そんなことはない。免税品店の会社(政府がやっているのは社会主義国くらい)も、メーカーから仕入れ、輸送費や販売コスト、利潤を乗せて小売価格をつける。もっとも大きな企業
近い国で免税品店を利用する... の続きを読む
アロマテラピー、食材に徹底的にこだわった日本料理、北京の宮廷料理
二五階のフロント前に立つと、大きく開かれたガラス窓越しに東京タワーが見える。晴れた日の夕方に到着すると、美しい夕陽を浴びながらのチェックインとなり、いやが上にも期待感が沸き上がってくる。素晴らしい瞬間である。「客室料金の平均単価が当初の見込みよりも高く、二万円前後で推移しています」総支配人は、出足の好調ぶりをこう語る。「バーにも時折、女性のお客様が一人でお見えになっています。深夜二時まで営業してい
アロマテラピー、食材に徹底的にこだわった日本料理、... の続きを読む
ビタミンBが体内時計を調整
飛行機の中では、とにかくからだを休めることです。無理に起きていようとしたり、逆に無理やり眠ろうとせず、好きなようにしてからだをリラックスさせてあげることです。「機内で食事をとると時差ボケがきつくなる」という人がいると聞きますが、医学的には根拠はありません。食事のコントロールによって、時差ボケがやわらぐことはないと思います。ただし、機内食は七割くらいにおさえて食べるのがいいでしょう。どの航空会社でも
ビタミンBが体内時計を調整... の続きを読む
炭酸泉あふれる、貴重な温泉
「飲んで効き長湯して効く長湯のお湯は心臓胃腸に血の薬」。昭和初期、ドイツで温泉治療医学を学んだ九州帝大の松尾武幸博士が帰国後、ドイツと同じ炭酸泉を探し続け、ついに発見した長湯温泉の薬湯を、このように激賞した。炭酸泉は古くから「心臓の湯」といわれてきた。炭酸ガスが皮膚、粘膜などの毛細血管を拡張させるため、血液の循環が活発になる。つまり心臓の拍動を増やさずに血液の循環をよくするので、高血圧の人でも心臓
炭酸泉あふれる、貴重な温泉... の続きを読む
けた外れの温泉力を持つ、巨大な一軒宿
八幡平の西端、焼山の西麓にすさまじい噴煙をあげる玉川温泉は今、最も注目を浴びている湯治場であろう。「「がんに効果がある」との口コミから爆発的なブームになりまして」と語るのは、玉川温泉の関係者さん。実は数年前、久しぶりに玉川を訪れた際、急増した入浴客を見て驚いたものである。有名な俳優ががんから復帰したことが、秋田の無名の湯治場が一躍、全国的に知られるきっかけとなったようだ。今、「無名の湯治場」と書い
けた外れの温泉力を持つ、巨大な一軒宿... の続きを読む
飲み物サービスはぜひもう一歩
くつろぎの空間演出もゲストルームの魅力の大きなポイントだ。珍しいところでは、フォーシーズンズホテル椿山荘東京のスイートの一部に、窓際に本物の植物が植えられた室内ガーデンを持つ「コンサバトリールーム」があり、人気を呼んでいる。部屋に入ってみると、鉢植えや花瓶の植物と違って部屋の空気の清浄効果まで感じられ、フレッシュなくつろぎ空間の演出に成功している。名のとおったホテルには、それなりのこだわりがある。
飲み物サービスはぜひもう一歩... の続きを読む
心からの満足
部屋に戻って、あなたは受話器を取る。出かける時間だ、と、あなたのために働くスタッフにあらかじめ声をかけておくためだ。あなたの荷物は、間もなくやってくるベルボーイが玄関まで速やかに運んでくれるはずだ。あなたは再びドレスアップし、懐かしむような表情で部屋を振り返る。ありがとう、生まれ変わったようなさわやかさだ、と心の中でねぎらいの言葉をかけるために。見送りのために並んだスタッフは、満足そうなあなたの微
心からの満足... の続きを読む
ぜひ復活してもらいたいお湯の熱海
熱海は伝統的な観光地だけに、そのボトムとトップの落差が激しい。非常に大衆的な側面を持つと同時に格式の高い宿や料亭も数多くある。ある時期まで東京の奥座敷的な存在でもあった。料理や接客の部分では他の観光地を寄せ付けない、圧倒的なレベルを持っていると、私は信じる。そういうプラスの部分が残っているうちに、建て直しを図るべきである。いまならまだ充分間に合うはずだ。そのバックボーンとなるのは、やはり熱海の湯だ
ぜひ復活してもらいたいお湯の熱海... の続きを読む
萌芽を黒川温泉に見ている
温泉地が醸し出す懐かしい景色、宿が提供する日本的な郷土料理、そこに集まってくる人懐っこい笑顔――「やっぱ日本っていいな」「日本人に生まれてよかったよ〜」。こうして日々の疲労は吹っ飛び、不安は雲散霧消、自信が限ってくることを無意識に期待しているのです。ところが、それだけの環境を備えた温泉地がこの日本にどれだけ存在するかというと、実は甚だ疑問です。小泉純一郎首相も最近、外国人観光客をこれまでの二倍にし
萌芽を黒川温泉に見ている... の続きを読む
散歩には保養上の意味がある
「湯治」というとお湯に浸かるだけが保養の手段だというイメージがありますが、温泉地ではそれ以外にも、体のために重要な要素があります。それは、「散歩」です。昔から、温泉地での保養には散歩がつきものでした。それこそ熱海で湯治を行った徳川家康や諸大名にしても、ただ湯に浸かっただけではなく、浜に出て漁師が網を上げるのを見物したり、足を延ばして伊豆山温泉の走り湯権現を見に行ったり、神社仏閣を訪ね歩いたりなど、
散歩には保養上の意味がある... の続きを読む
「泊まっていただく」ではなく「泊めてやっている」
お湯の質を落としても営業に差し支えなかったのは、第一に、利用客よりも旅館側のほうが「強かった」ことがあげられるでしょう。なにしろ当時は、社員旅行をはじめとした温泉宿の需要が多かったので、泊まり客は「予約を受けつけてもらえるだけで御の字」という状態でした。混み合うシーズンになると、「廊下でもいいから泊めてくれ」と旅館に泣きつく幹事さんもいたと聞きます。さすがに湯治全盛期のときのように廊下までは使わな
「泊まっていただく」ではなく「泊めてやっている」... の続きを読む
九州へ家族旅行に行きたいな
我が家はラーメンが大好きです。私を含め、父も母も甥っ子もラーメンが大好きです。最近九州の物産展で熊本ラーメンを買って帰ってきたのですが、ものすごくその熊本ラーメンがおいしくて、みんなでとてもハマってしまったのですが、父も母も九州出身で、父は熊本出身なので、おいしい本場のラーメンを食べに行ったりする家族旅行でもしたいなって思います。ラーメン大好きな甥っ子も一緒に連れて行ってあげたいなっても思います。
九州へ家族旅行に行きたいな... の続きを読む
新着記事
- シンガポールからボンベイまでのインド洋クルーズ
- 年金客船の構想
- 家族が一丸となった商い
- 外国の客船なのに意外にパンやバターがうまくない
- 精神的なぜいたくさを味わう
- 歴史とローカルな空間の魅力が合わさった地方都市
- ブルゴーニュとボルドー
- 那覇の公設市場の核をなす「第一牧志公設市場」
- 地引網体験バスツアー
- 送迎等観光以外の移動の道中